ティアマトの泪⑨_神と人の交わり
少し間が開いてしまいましたが
ティアマトの泪シリーズの続きを綴ります。
シリーズ記事⑧ 智慧を与えられた人類
からの続きです。
エンリルによってエデンから追い放われてしまった
初期段階の人類種族（ホモ・サピエンス）は、
金採掘の労働現場などに送り込まれたり
離散して野生化したものもいましたが
強い繁殖力をもつようになったために
次第にその数は増えていきました。
年月をかけて
初期人類たちは更にどんどんと増え、
ついには食糧難の危機が訪れます。
（食糧難になっていったのは、
ニビル星がまた再び太陽系内に近づく時を迎え、
地球の気候が少しずつ不安定に
なっていっていたからでもありました）
また、この初期の人類種には
まだ遺伝子的な欠陥もあり
近縁での交配が進むほどに心身や能力に
退化の兆候が見られてもいました。
エンキは、エンリルから
この局面を打開するため
事態の収拾策を講じるよう命じられます。
再び人類種の改良に直面することになった
エンキはある時、
野生化していた人類種と戯れて自ら交わり
それによって男子アダパ（アダム）と
女子 ティティ、2人の子供が生まれました。
アヌンナキは、種族の血統を護るために
掟として隷属種たる人類種と交わることを
固く禁じていたのですが、
エンリルの与り知らぬところで
エンキが起こした行動によって、
元の人類種族の亜種としての
現生人類（ホモ・サピエンス・サピエンス）
が誕生します。
誕生した子供たちは
よりアヌンナキの風貌に近くなり、
元の種よりも格段に知性が高く従順で、
教育によって教養を身に付けたり
複雑な仕事をこなす能力も持ち合わせていたため
エンキらによって再び庇護されるようになりました。
こうして、
アヌンナキたちは「農耕」と「牧畜」という
自分たちの糧を自分たちで計画的に得るための
知恵と技術をこの新たな人類種に教え
労働させることで食糧難という危機を打開しようとし、
人類種は、元の種に取って替わるように
この新たな亜種が数を増やしていきます。
エンキを直接の祖とし、現生人類として誕生した
アダパ（アダム）とティティからは
双子の男の子カインとアベル（アバエル）が生まれ、
兄カインは農耕を、弟アベルは牧畜を
アヌンナキ一族から教わることになっていきます。
さて、、、ニビル星の接近による気候変動で
地球で食糧難が起きはじめていた頃、
火星でも強い磁気嵐が吹き荒れ、
大気が不安定になるような異変が起きて
火星にいるイギギたちも
生存を脅かされるような困難な状況に
度々陥っていました。
イギギを管理下に置き、
火星の総司令官として君臨していた
エンキの息子マルドゥックは、
父エンキに懇願して地球へと戻ります。
そして、カインとアベルのうち
カインには、エンリルの息子ニヌルタが養父となり
アベルの養父となり彼に知恵を授けたのが
火星から戻って来たエンキの息子マルドゥックでした
旧約聖書にもあるように
カインとアベルの兄弟の顛末はご存じのとおり
人類史上初めての罪として記憶される事態となり
これによってエンキ一族とエンリル一族の溝が
深まっていくことになっていきます。
（※旧約聖書のなかに書かれているような
カインとアベル兄弟の軋轢とその顛末は、
彼らを象徴としてモチーフ的に描いたもので、
実際のところは
エンリル一族とエンキ一族の間での
対立が非常に激しくなったことを
その物語を使って暗に示している
と捉えるほうが良いように感じますね。）
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シリーズ①～⑧までのお話はこちら
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